
ルームツアー動画 vs Matterport 3Dウォークスルー、不動産会社はどちらを選ぶべきか?データで徹底比較
「動画さえあれば大丈夫」は本当か?
不動産マーケティングにおいて、動画活用への関心が高まっています。写真だけの物件ページから一歩進んで、ルームツアー動画を検討している会社も増えてきました。
一方で、最近注目を集めているのが「Matterport(マターポート)」を使った3Dウォークスルーです。物件をまるごと3Dスキャンし、購入検討者がインターネット上で自由に歩き回れるサービスで、海外の不動産市場では急速に普及しています。
「ルームツアー動画とどう違うの?」「どちらを導入すればいいの?」——この記事では、第三者機関のデータをもとに両者を徹底比較します。
Matterport 3Dウォークスルーとは?
まずMatterportを知らない方のために簡単に説明します。
Matterportは専用カメラやスマートフォンで空間をスキャンし、インターネット上で3D空間として再現するサービスです。購入検討者はブラウザ上で物件を自由に歩き回ることができ、見たい角度から自分のペースで確認できます。
ルームツアー動画との一番の違いは「能動性」です。動画は作り手が決めたルートを一方通行で見るコンテンツですが、Matterportは視聴者が自分で動ける双方向のコンテンツです。
主な機能としては、
- ブラウザ上での3D空間の自由な閲覧
- 間取り図(フロアプラン)の自動生成
- 各部屋の寸法測定
- VRゴーグルへの対応
などがあります。
ルームツアー動画の強み
SNSでの拡散力と認知拡大
ルームツアー動画の最大の強みは、SNSとの相性の良さです。Instagram Reels・TikTok・YouTube Shortsなどのプラットフォームでは、動画コンテンツが圧倒的に有利です。
全米不動産協会(NAR)の調査によると、不動産会社にとってSNSは現在最大の集客チャンネルとなっており、従来の物件掲載サイトを上回っています。動画付き物件はそうでない物件と比べて問い合わせ数が403%増加するというデータもあります。(出典:NAR・業界調査まとめ – resimpli.com)
感情に訴える力
動画はBGM・ナレーション・テロップを組み合わせることで、物件の雰囲気や魅力を感情的に伝えることができます。「この家に住んだらどんな生活になるだろう」という購入者の想像力を刺激するには、動画が最も効果的なフォーマットです。
制作・運用コストの柔軟性
動画はスマートフォンでも撮影できるため、コストの幅が広いのも特徴です。一眼カメラを使ったプロ仕様の横動画からスマホで撮影したSNS向けの縦動画まで、目的と予算に応じて柔軟に対応できます。
ルームツアー動画の弱み
一方通行のコンテンツであるため、視聴者が「もう一度あの部屋を確認したい」と思っても、動画を巻き戻す手間が発生します。また、撮影者が選んだアングルしか見ることができないため、購入検討者が気になる部分を自分で確認することができません。
Matterport 3Dウォークスルーの強み
成約スピードと価格への影響(第三者データ)
Matterportに関して最も信頼できるデータは、MLSの取引データを用いた学術的な統計分析です。アメリカ国内4市場のMLS取引データを分析した研究によると、3Dバーチャルツアー付きの物件は平均で最大9%高い価格で成約し、最大31%速く売れるという結果が出ています。(出典:Matterport公式ブログ)
また大手不動産仲介のRedfinは、Matterportの3Dウォークスルー付き物件は比較物件と比べて平均10日速く成約し、5,100ドル(約75万円)高い価格で取引されたと報告しています。(出典:Redfin公式ブログ)
購入検討者の「安心感」
物件を自分のペースで隅々まで確認できることで、購入検討者の不安が解消されます。特に遠方に住む購入検討者や、何度も内覧に来ることが難しいファミリー層にとって、Matterportは大きな価値を持ちます。
NARの2023年レポートでは、購入検討者の73%が「動画を使うエージェントに依頼したい」と回答しており、58%の購入者がオンライン上で物件動画・バーチャルツアーを期待しているというデータもあります。(出典:NAR 2023 Profile of Home Buyers and Sellers)
内見の効率化
Matterportを導入することで、購入検討者が事前に物件を詳しく確認してから内見に来るため、真剣度の高い問い合わせが増えます。ある調査では、バーチャルツアーの導入により無駄な内見が40%削減されたという報告があります。これは不動産会社の担当者の工数削減にも直結します。(出典:Matterport 購入者・売主調査)
Matterport 3Dウォークスルーの弱み
SNSでの拡散には向いていません。3DウォークスルーのURLをSNSでシェアすることは可能ですが、タイムラインで自動再生される動画と比べると、ユーザーが積極的にリンクをクリックする必要があるため、新規層へのリーチ力は動画に劣ります。
また、物件の「雰囲気」や「感情的な魅力」を伝える力も動画に比べると弱い面があります。3Dスキャンはあくまで空間を忠実に再現するものであり、BGMやナレーションで演出する動画のような感情的な訴求は難しいです。
データで見る両者の比較
| 項目 | ルームツアー動画 | Matterport 3D |
|---|---|---|
| SNS拡散力 | ◎ 非常に高い | △ 低い |
| 感情的な訴求力 | ◎ 高い | △ 低い |
| 成約スピードへの影響 | ○ 高い | ◎ 最大31%短縮 |
| 成約価格への影響 | ○ 高い | ◎ 最大9%向上 |
| 遠方購入者への対応 | ○ 対応可 | ◎ 非常に強い |
| 内見効率化 | △ 限定的 | ◎ 無駄な内見40%削減 |
| 制作コストの柔軟性 | ◎ 幅広い | ○ 固定的 |
| 新規認知の獲得 | ◎ 強い | △ 弱い |
目的別・予算別の使い分け
ルームツアー動画が向いているケース
- SNSを使った新規顧客の獲得を重視したい
- 物件の雰囲気・ライフスタイルを感情的に伝えたい
- 比較的低コストで動画マーケティングを始めたい
- 若年層・ファーストタイムバイヤーへのアプローチを強化したい
Matterport 3Dウォークスルーが向いているケース
- 遠方・海外からの購入検討者が多い物件
- 高価格帯・広面積の物件(費用対効果が高い)
- 内見対応の工数を削減したい
- 物件の正確な空間情報(寸法・間取り)を伝えたい
- 競合との差別化を図りたい
結論:「両方使う」が最も効果的
ルームツアー動画とMatterport 3Dウォークスルーは、競合するツールではなく補完し合うツールです。
動画で新規層に物件の魅力を感情的に伝え、興味を持った購入検討者がMatterportで詳細を自分のペースで確認する——この2段階のアプローチが、問い合わせの量と質を同時に高める最も効果的な戦略です。
「どちらか一方」で迷っているなら、まずルームツアー動画で認知を広げ、反応が良かった物件や高価格帯の物件にMatterportを追加するという順番がおすすめです。
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