縦動画と横動画、不動産ルームツアーはどっちが正解?一眼カメラとスマホを使い分けるプロの撮影戦略

「縦か横か、どっちで撮ればいいの?」

ルームツアー動画を始めようとしたとき、最初にぶつかる壁がこれです。

スマホで撮れば自然と縦になる。でもYouTubeに載せるなら横の方がいい気がする。TikTokやInstagramは縦が主流らしいけど、不動産動画でも通用するのか——。

結論から言います。縦と横は「どちらが正解か」ではなく、最初から別のコンテンツとして設計するのが正解です。

「横動画を縦にトリミングすればいい」という方法もありますが、それでは両方が中途半端になります。縦動画と横動画はそれぞれ、視聴者の見方も、映像の見せ方も、演出のセオリーも異なります。この記事では、一眼カメラとスマホを使い分けて2種類の動画を別々に作るという方法を、具体的に解説します。

データが示す縦動画の強さ

まず数字から見てみましょう。

完全視聴率が約9倍

Snapchatの公式データによると、縦型動画の完全視聴率は横型動画の約9倍高いという結果が出ています(参考:embryo.com「30 Vertical Video Stats」)。「最後まで見てもらえる動画」という観点では、縦動画が圧倒的に有利です。

Reelsは通常動画より最大67%エンゲージメントが高い

Instagram Reelsは通常の動画投稿と比べて、業種によっては最大67%高いエンゲージメントを獲得しているというデータがあります(参考:affinco.com「Instagram Reel Statistics」)。また、ReelsはInstagramのすべての投稿形式の中でリーチ率が最も高く、通常の写真投稿の約2倍以上の人に届くことも確認されています(参考:Socialinsider「Instagram Benchmarks 2024」)。

なぜここまで差が出るのか

理由はシンプルです。94%のユーザーがスマホを縦に持って動画を見ているからです(参考:yansmedia.com「Vertical Video Statistics」)。横動画はスマホを横向きにするというひと手間が発生し、それが離脱につながります。縦動画はスマホ画面を縦に持ったまま全画面表示されるため、横動画と比べて画面占有率が大幅に高くなります。

ただし、「だから全部縦にすればいい」という話ではありません。縦動画の弱点は画角の狭さです。部屋の広がりや奥行き、天井の高さといった不動産の「売り」は、横長の画角の方がずっとうまく伝わります。

だからこそ、縦と横を最初から別のコンテンツとして作り分けることが重要になります。

横動画(一眼カメラ)の役割:空間の魅力を丁寧に伝える

横動画は、一眼カメラで撮影します。

一眼カメラを使う理由は、画角の広さと映像のクオリティです。リビングの開放感、キッチンの奥行き、窓からの眺め——部屋の「広さ」や「空気感」は、センサーサイズが大きい一眼カメラで横長に撮ることで初めて正確に伝わります。スマホでは、どうしても空間が狭く見えがちです。

横動画のコンテンツ設計

横動画の役割は「物件の全体像を丁寧に伝えること」です。

  • 尺:2〜3分程度のフルルームツアー
  • 構成:玄関→リビング→キッチン→各部屋→水回り→バルコニーという流れ
  • 音声:ナレーションや登場人物の説明があると、物件の特徴が伝わりやすい
  • 掲載先:YouTube、自社ウェブサイト、物件掲載サイト

横動画はじっくり物件を検討したい人——つまり「すでに興味がある層」に向けたコンテンツです。問い合わせを検討している人が見るものなので、情報量を多くしても問題ありません。

縦動画(スマホ)の役割:まだ興味がない人を引き込む

縦動画は、スマホで撮影します。

スマホの縦動画がターゲットにするのは、「まだこの物件に興味がない人」です。InstagramやTikTok、YouTube Shortsのフィードを何気なくスクロールしているユーザーの手を止めるのが目的です。

スマホを使う理由は、機動性と自然さです。スマホは軽く、動きながらの撮影がしやすい。また縦画面は人物や縦長のものが映えやすく、案内する人物を主役にした演出と相性が良いです。

縦動画のコンテンツ設計

縦動画は横動画と同じ部屋を回りますが、まったく別のコンテンツとして設計します。

  • 尺:30〜60秒
  • ナレーションなし、登場人物も話さない
  • その代わり、案内する人物のアクションで見せる

ここが縦動画の重要なポイントです。音声で説明する代わりに、案内する人が少しオーバーに身振り手振りを使います。「このリビング、広い!」という驚きを声ではなくリアクションで表現する。「ここ見て!」というジェスチャーで視聴者の視線を誘導する。

なぜこれが有効かというと、SNSは音を出せない環境で見られることが非常に多いからです。電車の中、職場の休憩中——無音でも「何かが起きている」と感じさせる映像が、手を止めさせる力を持ちます。

横動画と縦動画、撮影時の違い

同じ部屋を撮るとはいえ、横と縦では撮り方が変わります。

横動画(一眼カメラ)の撮り方

横動画の撮影方法は、現在も試行錯誤中です。

三脚を使った固定撮影は、各部屋をじっくり見せる「丁寧さ」が出ます。一方、ジンバルを使って歩きながら撮影すると、玄関からリビング、キッチンへという自然な導線が生まれ、「今どこにいるか」が視聴者に伝わりやすくなります。

どちらが正解かは、正直まだわかりません。物件の特徴やクライアントの希望によっても変わると感じています。ルームツアー動画はまだ新しい分野で、「これが唯一の正解」というセオリーが確立されていないからこそ、撮影のたびに検証しながら積み上げています。

共通して意識しているのは以下の点です。

  • 広角レンズで部屋全体を収める構図を意識する
  • 自然光と照明を活かして、明るく清潔感のある映像を作る

縦動画(スマホ)の撮り方

  • スマホを縦に持って撮影(Instagramのリール投稿は9:16が推奨)
  • 人物を画面の中央〜下に配置し、部屋の特徴が背景に映るようにする
  • 歩きながら撮ると躍動感が出る(手ブレが気になる場合はジンバルを使用)
  • 登場人物のリアクションが映えるよう、少し寄りの構図を意識する
  • 1部屋あたりのカット数を増やして、テンポよく見せる

プラットフォーム別:どちらの動画をどこに載せるか

掲載場所推奨フォーマット
YouTube(通常)横動画(16:9)
自社ウェブサイト横動画(16:9)
Instagram Reels縦動画(9:16)
TikTok縦動画(9:16)
YouTube Shorts縦動画(9:16)
Instagramフィード投稿縦動画または正方形(1:1)

横動画は「検討している人」が見る場所へ、縦動画は「まだ知らない人」にリーチする場所へ。この使い分けが、同じ物件から最大限の露出を生み出します。

まとめ:1回の撮影で2本のコンテンツを作る

縦動画と横動画の関係を整理すると、こうなります。

横動画(一眼カメラ) → 空間の広さ・クオリティを伝える/検討層向け/YouTube・ウェブサイト

縦動画(スマホ) → まだ興味がない人の手を止める/認知拡大用/Instagram・TikTok・Shorts

「縦か横か」という二択で悩む必要はありません。1回の物件訪問で、一眼カメラとスマホの両方を使って撮影する。そうすることで、検討層にも潜在層にも届くコンテンツが同時に揃います。

ルームツアー動画は、撮影クオリティだけでなく「どこに・どんな形で届けるか」が問い合わせ数を左右します。縦横の戦略を取り入れて、動画の効果を最大化しましょう。

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