ルームツアー動画の視聴維持率を上げるために「効果があった」こと——国内外の事例・データまとめ

なぜ視聴維持率が重要なのか

YouTubeで動画を伸ばすには、再生回数よりも「視聴維持率」の方が重要です。

視聴維持率とは、視聴者が動画をどれくらい見続けたかを示す指標です。維持率が高い動画ほどYouTubeのアルゴリズムに評価され、ブラウジングや関連動画に優先的に表示されるようになります。

住宅専門のYouTube運用会社CUEによると、人気のルームツアー動画になるとトラフィックソースの約9割以上がブラウジングと関連動画によるものになるといいます。逆に言えば、外部からの流入(YouTube以外のプラットフォームからの流入)だけに頼っていても、再生回数は伸びていきません。

出典:https://cue9.co.jp/blog/roomtour-analytics/

では、視聴維持率を上げるために何が効果的なのか。国内外の事例・データをもとに整理します。

① 間取り図をあえて「最後に」公開する

これは国内の住宅会社で実際に効果が確認されている手法です。

視聴者が最も気になる間取り図をあえて動画の最後に公開することで、最後まで視聴してもらえるよう工夫し、視聴維持率を高めることに成功した事例があります。視聴維持率が上がったことで、YouTubeのおすすめ動画や関連動画に掲載されやすくなり、さらに再生回数の増加につながったとのことです。

実践方法としては、冒頭で「この動画の最後に間取り図を公開します」と予告するだけです。視聴者に「最後まで見る理由」を与えることで、離脱防止につながります。

出典:https://iezukuri-business.homes.jp/column/trend-00036

② 「なぜおしゃれなのか」を言語化する

「おしゃれですね」「雰囲気いいですね」という感想を述べるだけで、なぜそう感じるのかを説明しないルームツアー動画は、視聴者の離脱を招きやすいという指摘があります。

たとえば「壁を斜めにすることで動線をしぼっている」と話しながら、映像ではその壁が映っていない。あるいは木の天井が良いと言っているのに天井が映っていない。こういったカメラワークや説明のズレが視聴維持率を下げる原因になります。

設計段階で何にどう工夫したからこの空間になっているのか、数値に強い会社であれば断熱性能や耐震等級などを具体的に話す。「見せる」だけでなく「解説する」動画の方が視聴者が求めている情報を提供しており、視聴維持率が上がりやすくなります。

出典:https://cue9.co.jp/blog/roomtour-nobinai/

③ 外部SNSへのシェアは視聴維持率を下げる可能性がある

「動画を作ったからSNSでシェアしよう」「広告を使って告知しよう」という方法は、一見効果的に思えますが、実はYouTubeの評価を下げるリスクがあります。

シェアした先にいる人が本当にその動画を見たいと思っているかどうかが重要です。興味のない人にクリックさせて、すぐに視聴をやめられると視聴維持率が悪化し、YouTubeのアルゴリズム評価を下げてしまいます。外部流入ではなく、YouTubeのプラットフォームの機能(検索・ブラウジング・関連動画)を使って拡散していく方法を意識することが重要です。

出典:https://cue9.co.jp/blog/roomtour-nobinai/ 出典:https://housing-dx.com/housing-column/1645/

④ 人が登場すると維持率・信頼が上がる

海外の不動産動画の専門家は「視聴者は人に共感する。空の部屋より人が登場することで繋がりが生まれ、信頼・維持率・コンバージョンが上がる」と指摘しています。

また、YouTubeの視聴維持率に関する調査データによると、単調なAIナレーションは最初の45秒以内に人間ナレーションより平均35%多く離脱を生むことが確認されています。たとえ音声品質が低くても、人間のナレーションの方がAIナレーションよりも視聴者の注意を保持する傾向があります。

これはルームツアー動画においても示唆を与えます。合成音声ナレーションと人間が登場・話す動画では、後者の方が視聴維持率で有利になる可能性があります。

出典:https://coachemilyterrell.com/2025/12/15/how-to-create-property-tour-videos-for-youtube-a-complete-guide-for-real-estate-agents-ready-to-stand-out-in-a-video-first-market/ 出典:https://www.retentionrabbit.com/blog/2025-youtube-audience-retention-benchmark-report

⑤ 冒頭8秒・最初の1分が勝負

2025年のYouTube視聴者維持率に関する調査(75以上のニッチを対象とした分析)によると、以下のデータが確認されています。

  • 視聴者が動画を見続けるかどうかを判断するまでの平均時間は約8秒
  • 最初の1分以内に視聴者の55%以上が離脱する
  • 最初の1分で65%以上を維持できた動画は、平均視聴時間が58%長くなる傾向がある
  • 2025年のYouTube動画の平均視聴維持率は23.7%

ルームツアー動画においても、冒頭の数十秒で「この動画を見続ける価値があるか」が判断されます。冒頭にロゴや前置きを長く入れることは、離脱のリスクを高める可能性があります。

出典:https://www.retentionrabbit.com/blog/2025-youtube-audience-retention-benchmark-report

⑥ ショート動画は「入口」として機能する

不動産マーケティング会社BeFound Mediaの事例によると、15〜30秒の縦型ショート動画で物件の最も魅力的な部分を見せることで、視聴者を長尺のルームツアー動画へ誘導するという戦略で、2024年だけで1億回超の再生を獲得しています。

また、別の調査では30秒未満のショート動画は1分以上の動画と比べて視聴完了率が30〜60%高いことが示されています。

ショート動画は再生回数を稼ぎつつ、長尺ルームツアーへ誘導する「入口」として設計することで、チャンネル全体の視聴時間を増やす効果が期待できます。

出典:https://www.under30ceo.com/why-short-form-video-reels-are-essential-for-real-estate-success-on-social-media/

⑦ チャプターマーカー(目次)を入れる

長尺の動画では、チャプターマーカー(YouTube上に表示される目次)を入れることで視聴者が見たい箇所にジャンプでき、利便性が上がります。特に高い購買意欲を持つ視聴者は「キッチン」「主寝室」「バックヤード」など、自分が気になる部分を選んで見ようとする行動を取ることが多いとされています。

またチャプターマーカーはYouTube SEOにも効果があり、各チャプター名がキーワードとして機能することで検索での発見率が上がる可能性があります。

出典:https://www.veedyou.com/best-real-estate-videos/

⑧ Century21の事例——動画を物件情報に埋め込む

海外の具体的な成果事例として、Century21はYouTubeのホームツアー動画を全物件リストに埋め込むキャンペーンを実施した結果、住宅販売が20%増加したという事例が報告されています。

これはYouTubeの動画単体の話ではなく、自社ウェブサイトやブログへの埋め込みと組み合わせることで効果が大きくなるという示唆です。動画を公開して終わりにするのではなく、物件紹介ページやブログ記事と連携させることで、問い合わせへの導線が太くなります。

出典:https://www.paperlesspipeline.com/blog/mastering-youtube-for-real-estate-agents-and-brokers-tips-to-elevate-your-marketing

まとめ:今すぐ試せることから始める

今回紹介した手法を、試しやすい順に並べます。

手法難易度効果の根拠
間取り図を最後に公開する★☆☆国内住宅会社の実例
冒頭の前置きを削る★☆☆グローバル維持率データ
「なぜ」を言語化する★★☆国内専門家の指摘
チャプターマーカーを入れる★☆☆SEO・利便性向上
動画をブログ・サイトに埋め込む★☆☆Century21事例
人が登場する動画を試す★★☆海外データ・国内事例
ショートを長尺の入口にする★★★BeFound Media事例
SNSへの無差別シェアを控える★☆☆維持率への悪影響データ

いずれも「大幅な撮影・編集の変更」ではなく、構成や公開方法の工夫で対応できるものがほとんどです。一つずつ試して、アナリティクスデータで効果を検証していくことが、視聴維持率改善の近道です。

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