ルームツアー動画、何のために撮っていますか?物件種別で「伝えるべきこと」は変わる

「みんながやっているから」で始めたルームツアー動画が、なぜ効果を出せないのか

InstagramにもYouTubeにも、ルームツアー動画はあふれています。不動産会社、工務店、ハウスメーカー——多くの会社が動画を発信しています。

では、なぜ始めたのか。多くの場合、答えはこうです。「他社もやっているから」「動画が集客に効くと聞いたから」。

動機としては自然です。ただ、この出発点で始めた動画は、なかなか効果につながりません。

理由は一つ。「何のために撮るのか」が曖昧なまま、カメラを回しているからです。

発信側と視聴側の目的は、最初から違う

ルームツアー動画を発信する会社の目的は、突き詰めれば「受注・成約」です。自社の物件を買ってほしい、家を建ててほしい。

一方、視聴者の目的はもう少し手前にあります。「こんな間取りもあるんだ」「このインテリア参考にしたい」「平屋って実際どんな感じだろう」——そういった興味や参考探しで動画を見ています。

この違いは「ズレ」ではなく、最初から違って当然のものです。問題にすべきことではありません。

問題は別のところにあります。視聴者が「見たいもの」を見せながら、自社の強みや魅力をさりげなく伝えられているか——この設計ができているかどうかです。

「みんながやっているから」で作った動画は、この設計が抜け落ちています。ただ部屋を映しているだけになってしまい、見た人の記憶に何も残らない。結果として問い合わせにも、来場にもつながりません。

物件種別で「伝えるべきこと」は変わる

ルームツアー動画を効果的にするには、物件の種類によって「何を伝えるか」を変える必要があります。

戸建て住宅の場合、大きく3つに分けて考えるのが適切です。

モデルハウス:自社の強み・技術・世界観を見せる

モデルハウスは、その会社の「理想形」です。実際に販売する物件ではなく、「私たちはこういう家を作れます」というショーケースとして機能します。

だとすれば、動画で伝えるべきは間取りの広さや利便性ではありません。自社ならではの設計思想、素材へのこだわり、職人の技術——そういった、他社との差別化につながる要素です。

天井の高さ、窓の取り方、素材の質感、光の入り方。これらは写真では伝わりにくく、動画だからこそ伝えられる情報です。視聴者に「この会社の家に住みたい」と感じてもらうことが、モデルハウス動画の本来の目的です。

視聴者は「間取り参考」で見始めるかもしれません。でもその先に「この会社の雰囲気、好きかも」「一度見学に行ってみようかな」という気持ちを引き出せれば、動画は十分に機能しています。

注文住宅(建築事例):「要望を形にできる」実績と世界観を伝える

注文住宅の動画は、モデルハウスと似ているようで、伝えるべきことが少し違います。

モデルハウスが「自社の理想形」を見せるものだとすれば、注文住宅の事例動画は「お客様の要望に応えた実績」を見せるものです。

「吹き抜けのある明るいリビングにしたかった」「趣味のスペースを作りたかった」「子どもが走り回れる動線にしたかった」——そういったオーナーの要望が、どのように形になっているかを伝えることが核心です。

視聴者が注文住宅の動画を見るとき、「こんな家を建てたい」というイメージを探しています。同時に「自分の要望を聞いてもらえる会社かどうか」も、動画を通じて無意識に判断しています。

だとすれば、動画の中に「なぜこの設計になったか」という背景を少し盛り込むことで、「この会社なら自分の希望も実現できそう」という信頼につながります。間取りや内装の美しさを見せることと、設計の意図を伝えることを両立させることが、注文住宅動画の設計のポイントです。

建売住宅:生活イメージと利便性を伝える

建売住宅の動画は、モデルハウスや注文住宅とは性格が大きく異なります。

視聴者は「この物件を買うかどうか」という、より具体的な検討段階にいます。間取りや内装の好みだけでなく、「ここで実際に生活できるか」を判断しようとしています。

だとすれば、動画で伝えるべきは内装の美しさだけではありません。「この家での生活がどんなものか」をイメージさせる情報が必要です。

具体的には以下のような要素です。

住みやすさ:収納の多さ、動線の使いやすさ、日当たり、家族それぞれの居場所があるかどうか。「ここで実際に暮らしたら」という視点で見せることが重要です。

周辺環境:最寄り駅からの距離、スーパーや商業施設へのアクセス、近くに公園や学校があるかどうか。特に子育て世代への訴求では、この情報が決め手になることも多い。

価格と価値のバランス:今回のアナリティクスデータで、タイトルに「2,395万円」と価格を入れた動画のクリック率が11.8%と突出して高い結果が出ていました。建売は価格が明確なので、タイトルや動画内で価格を開示することで、検討している人に刺さりやすくなります。

建売動画は「物件情報の動画版」として機能します。見た人が「この物件、見学してみようかな」と思えれば十分です。モデルハウスのように世界観を伝える必要はなく、必要な情報を過不足なく、わかりやすく届けることが優先です。

まとめ:目的が明確な動画だけが、問い合わせにつながる

3種類の動画をまとめると、こうなります。

種別視聴者の状態動画で伝えるべきこと目指すゴール
モデルハウス「こんな家に住みたい」イメージ探し自社の強み・技術・世界観見学予約・問い合わせ
注文住宅「自分の要望を形にしたい」要望を実現した実績・設計の意図相談・問い合わせ
建売住宅「この物件を買うかどうか」検討中生活イメージ・利便性・価格内覧予約

ルームツアー動画は、撮ることに意味があるのではありません。「誰に、何を伝えて、どう動いてもらうか」を設計した動画だけが、集客や成約につながります。

他社がやっているからという理由で始めた動画と、目的を明確にして設計した動画では、同じ撮影時間をかけても結果に大きな差が出ます。

まず「この動画は何のために作るのか」を決めてから、カメラを回す。それだけで、ルームツアー動画の効果は変わります。

ルームツアー動画の企画・制作をお考えの方へ

KS Createでは、物件種別に応じたルームツアー動画の企画・撮影・編集を承っています。「何を撮ればいいかわからない」という段階からご相談ください。

まずはお気軽にどうぞ。






    ブログ

    BLOG

    PAGE TOP